山あげ祭

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やまあげまつり

栃木県那須烏山市の八雲神社例大祭の奉納行事で、特に市街地に仮設の舞台を作り歌舞伎を行う祭りとして知られている。全て手作りの幅7m、高さ10m以上、奥行き100mの山と舞台装置一式を毎回組み立てて、所作狂言(歌舞伎)や神楽などの余興を奉納し、解体、移動を一日6回程度、3日間に渡って繰り返し、町中を巡行する。その移動総延長は20kmにも及ぶ。
永禄3年(1560年)烏山城主那須資胤が牛頭天王に疫病退散を祈願した際に行われたのが起源とされている。当初は相撲や神楽獅子が奉納され、一時衰退したが、江戸末期より那珂川水運の拠点となり、木材や和紙の産地としての繁栄とともに再興。現在は6町(元田町、金井町、仲町、泉町、鍛治町、日野町)のもち回りで行われ、当番町制度となっている。かつては、祭りの日は賑わい、出店・露店が各所に出ていたが、近年は祭りそのものの催しが主となっている。よく誤解されているが、「山あげ行事」の言葉にあるように、主体は網代に和紙を貼った高さ十数mにも及ぶ「山」をあげる(立てる)「山あげ」である。「山あげ」の起源は江戸中期、恵みが町の隅々までいきわたるようにと土を盛り築山を作ったのが始まりで、その大きさを競ううち、当時高級品だった特産の和紙(程村紙)で山を作るようになったとされる。山に「滝」が描かれるのはその名残で、全町を潤すという意味がある。そののち、山を背景に東京や宇都宮、笠間、常陸大宮などから一座を招いて余興が催されるようになった。昭和50年代、保存会を設けて地域住民が所作狂言(歌舞伎)を演じるようになり、現在に至る。6町それぞれ若衆制度はもちろん、かけ声なども異なっており、屋台を中心とした舞台装置が異なるため得意芸題も異なる。

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prefecture_er: 
city: 
那須烏山市
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datetxt: 
7月第4週の金~土~日曜日

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