小鹿田焼

大分県日田市の山あい、皿山を中心とする小鹿田地区で焼かれる陶器。その陶芸技法が1995年(平成7年)に国の重要無形文化財に指定され、2008年3月には地区全体(約14ヘクタール)が「小鹿田焼の里」の名称で重要文化的景観として選定されている。
朝鮮系登り窯で、トビカンナ(飛び鉋)、刷毛目、櫛描きなどの道具を用いて刻まれた幾何学的紋様を特徴とする。トビカンナは、宋時代の修式窯飛白文壺との類似が見られる。釉薬の使い方には打ち掛け、流し掛けなどといった技法が用いられ、原料によってセイジ(緑)、アメ(飴)、クロ(黒)が主である。
陶土を搗くための臼は唐臼(からうす)と呼ばれるもので、ししおどしのように受け皿に溜まった水が受け皿ごと落ちる反動によって陶土を挽いている。その音は「日本の音風景100選」の一つに選ばれている。
民芸運動を提唱した柳宗悦が1931年(昭和6年)にこの地を訪れ、「日田の皿山」と題して評価する内容の一文を発表したこと、さらに、日本の陶芸界に大きく名を残したイギリスの陶芸家、バーナード・リーチも陶芸研究のため、1954年(昭和29年)、1964年(昭和39年)に滞在して作陶を行ったことにより、小鹿田焼は日本全国や海外にまで広く知られるようになった。

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